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一緒に働く仲間の幸せにもこだわりながら
八重山諸島全域への在宅医療普及を目指す

とぅもーる診療所 院長

岡本 淳一

プロフィール

出身大学 東京大学医学部(健康総合科学科)、新潟大学医学部
専門(学会等) 日本褥瘡学会認定在宅褥瘡管理者、難病指定医、小児慢性特定疾病指定医/日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本緩和医療学会
主な経歴 千葉西総合病院、はいさいクリニック

私にとっての悠翔会のワークスタイル、3つのポイント

①価値観を共有できる仲間の存在
②組織内の風通しのよさ
③心理的安全性が保たれた職場

悠翔会が2023年6月1日、沖縄県・石垣島に開設したとぅもーる診療所の院長を務めるのは、公衆衛生や国際保健の勉強後に医学部に進学し、卒業後は実地で在宅医療を学んできた岡本医師です。日々の診療においては①診療・連携の質、②対応の早さ、③ホスピタリティの3点に注力するとともに、一緒に働く仲間の幸せにもこだわり、「八重山諸島全域を在宅医療があたりまえに受けられる地域にしていく」というミッションの実現に向けたチャレンジを続けています。

どのようなきっかけで医学部を目指しましたか。

一度目の大学生活では健康科学を専攻し、公衆衛生・国際保健などの医療周辺領域を幅広く学びました。その中で特に大きな興味を抱いた分野が「がんの転移」でした。大学4年から修士課程1年まで、がんの生化学的研究に没頭する中で、少しずつ、医療者としてがん治療に直接携わりたいという思いが募っていきました。また、東日本大震災の直後だった当時、石巻市でローラー作戦という健康調査ボランティア活動に参加する機会もいただきました。そこでチームを組ませていただいたベテラン在宅医の姿に憧れを抱いたことも契機となり、医師を目指す決意が固まりました。

医学部入学後について教えてください。

新潟大学医学部に編入学してからは、地域医療振興協会のプログラムで久米島での実習に参加したり、国内外の小児科医の温かいご支援の下、研究や臨床実習で米国に3度留学する機会をいただいたりと、課外活動にも積極的に取り組むことができました。特に、日本オスラー協会への参加を通じて日野原重明先生から直接学ぶ機会を得られたことは貴重な財産となりました。サイエンスとしてだけでなくアートとして医道を捉える重要性について教わったことで、「知性面だけでなく感性面でも優れた医師になる」という、自分の理想とする医師像が確立されました。

卒後は医療法人徳洲会千葉西総合病院で初期研修を行いました。研修医が最前線で機能しないと患者さんの命を守れない・現場が回らない、という過酷な環境でしたが、2年間の研修を通じて臨床能力を大幅に鍛えられました。

その後、在宅医療を実地で学ぶことになりましたね。

妻が琉球大学医学部に編入学した関係で沖縄県に移住しました。自分の価値観に合った専攻研修プログラムを探し出せずに迷い続けた末、「初心に帰って在宅医療とがん緩和ケアをやりたい」という考えに至りました。そして、専攻研修プログラムには入らずに、卒後3年目から那覇市内の在宅療養支援診療所に入職する道を選びました。

3年半の実践的な診療経験の中で、患者さんやご家族の希望に添いながら治療方針を勘案できる点や、かかわる人たち皆が感謝の言葉や笑顔で溢れる点に魅力を感じ、在宅医療をライフワークと捉えるようになっていきました。そんな中、「患者さんのニーズが最優先」「かかわったすべての人を幸せに」という、私と全く同じ価値観をミッションに掲げている悠翔会グループの存在を知りました。その後、くくるホームケアクリニック南風原での非常勤勤務を経て、2023年6月から石垣島・とぅもーる診療所の院長に着任することになりました。

「(人生最後の望みだった)豊年祭を自宅で迎えられてうれしい」と話された患者さん。ご家族からいただいた牛汁を完食してお見せしたら、うれし涙を流して喜んでくださいました

とぅもーる診療所開設後は、どのように仕事に取り組んでいますか?

現在は定期診療、オンコール待機・往診対応、チーム運営などに取り組んでいます。
当院では施設患者さんが少なく、9割近くの方をご自宅で診療しています。過半数は多併存慢性疾患や老年症候群のある高齢者ですが、その他にもがんターミナル期の方や、難病・障がいのある方、独居・精神疾患などで受診拒否がある方など、通院困難な方を幅広く受け入れています。また、新型コロナウイルス感染症での介入依頼もこれまでに5件いただき、すべてのケースで即日初診にうかがっています。必要な方にはベクルリー®︎(レムデシベル)の点滴投与も行いました。

開設7ヵ月目からは、半径16kmの診療圏を越える北部エリアの患者さん宅にも診療にうかがっています。今後は遠隔コミュニケーションツールの「まごチャンネル」も活用し、西表島などの周辺離島でも、訪問診療・往診・オンライン診療を組み合わせた支援ができるよう、準備を進めています。

定期訪問や往診のほか、退院前カンファレンスへの参加も行っています。多職種が集まって話し合える場は、患者さんや介護者の困りごと・心配ごとに向き合える大切な場ですので、ケアマネジャー主催の担当者会議にも、なるべく出席できるよう努めています。

石垣島のケアマネジャー、訪問看護師、訪問薬剤師、地域連携室員などのスタッフは、ほとんどすべての方がわたしたちと同じ価値観を共有し、質の高い在宅ケアをひたむきに提供・支援してくださっています。 各連携事業所とは、コミュニケーションツールのMCS(メディカルケアステーション)を活用して、情報共有の質を高めています。

一方、当院では常勤医師だけで365日のオンコール待機・時間外出動をカバーできる体制づくりも目指しています。そのため、訪問看護ステーションと連携したり、看護師を含むHCA(ホームケアアシスタント)がファーストオンコールに入る体制をとったりして、医師の負担を極力軽減できるよう努めています。

クリニック運営やチームづくりでこだわっていることはありますか。

日々の診療においては、①診療・連携の質、②対応の早さ、③ホスピタリティの3点に注力するとともに、患者さん・ご家族・連携事業者の困りごとや心配ごとにフォーカスするよう心がけています。ニーズを超えたウォンツや本音を引き出すためには、医療者側に感性や人間力が求められますが、この資質を磨いていくことでニーズに対して100%以上で応えられるようになり、「患者さん・ご家族・連携事業者の幸せ」につなげられると考えています。

また、「かかわったすべての人を幸せに」という基本理念のもと、「一緒に働く仲間の幸せ」にもこだわっています。その一貫として対人ストレスの軽減に努めています。「組織の悩みの9割は人間関係に起因し、その苦しみは最終的に組織のリーダーが背負うことになる」と教わったことがあります。特に対外的な人間関係の悩みやスタッフの内面に生じるネガティブな感情変化が、組織全体の不和に発展していかないよう、早い段階で察知して、素早く、きめ細かく、さりげなく、そっと微調整できるスキルが、院長を含めたチームメンバー全員に求められると思います。

加えて、個々のスタッフが成長を感じられる環境づくりも幸せに働くうえで大切だと考えています。スタッフにはそれぞれのキャリアプランや価値観があります。ある看護師さんは、今のキャリアの延長で事務長や管理職に昇進していくかもしれないし、別の看護師さんは訪問看護ステーションを立ち上げて独立していくかもしれない。また、ケアマネジャーになって地域の在宅ケアのリーダーとして活躍したいと思うようになるスタッフもいるかもしれない。それぞれが大きく羽ばたいていく姿を想像しながら、今の業務が個々のスタッフのキャリアアップにどうプラスに働くか? という視点を忘れずに、日々チームメイトに接するよう心がけています。

「一緒に働く仲間には同じ医療者として幸せな人生を歩んでほしい」という強い願いが私にはあります。しかし、そのためにはまず、院長である自分自身に高い人間力や感性、アンガーマネジメント・感情コントロールなどの能力が高いレベルで備わっていないといけないと、ことあるごとに痛感します。まずは私自身がそういった資質を磨いて成長していければという思いで取り組んでいます。

今後チャレンジしたいことについて教えてください。

現在、私は医師として7年目、在宅医としては5年目のキャリアになりましたので、プライマリ・ケア認定医、緩和医療学会認定医、在宅医療専門医などの資格取得を目指して、専門性を高めていきたいと考えています。

また、クリニックを安定した経営軌道に乗せ、石垣島全域に持続的・安定的に質の高い在宅医療を提供できるようマネジメント力を発揮していきたいです。経営学は書籍や動画で学ぶこともできますが、経営力は現場で経験しないと体得が難しいので、日々の一つひとつの経験から学んでいく姿勢を大切にしています。

さらには、沖縄の地域性に精通してきた経験も活かし、悠翔会南西エリアの各拠点を統括・マネジメントしていく存在に成長していきたいと考えています。それに向けて、必要な自己課題を明確にしながら、日々取り組んでいます。
最終的には、「八重山諸島全域を在宅医療があたりまえに受けられる地域にしていく」というミッションの実現に向けて、チーム全員でチャレンジしていければと望んでいます。

患者さん宅の牧場で、たくさんの牛たちに餌やり

悠翔会での働きがいはどこにありますか。

自己成長という点で、大変恵まれた環境にいると感じます。佐々木理事長をはじめ、目標とする先生方が法人内に多く在籍しており、勉強会やセミナー以外の機会でも、直接相談したり提言をいただいたりできるので、成長が促進されていきます。院長会では他のクリニックの動向やトップリーダーの方々のビジョンもリアルタイムで共有されるため、自分自身が将来切り拓いていきたい在宅医療のビジョンを明確にしていくうえでもお手本になっています。

また、横のつながりという点でも悠翔会は大変恵まれている環境です。石垣島という僻地離島にいながらでも、悠翔会内外での人と人とのつながりが広がってすてきなご縁が生まれていくことに、私自身も驚いているところです。宮古島のドクターゴン診療所の泰川恵吾先生、西崎病院の新屋洋平先生など、沖縄の在宅医療をリードする先生方からも温かいご支援をいただいて、目標を持って充実した日々を過ごすことができています。

悠翔会が働きやすいと考える点を教えてください。

比較的自由に勤務日数を決定できる点が第一に挙げられます。各クリニックの状況にもよりますが、基本的には非常勤勤務も週1〜3回で選択できますし、常勤勤務の場合も週4日を当たり前に選択できることには驚きました。週4日であれば、毎月13〜15日は休むことができ、ゆったりと働けるのではないかと思います。(首都圏以外のエリアにおいて)夜間・休日のオンコール待機を同時に担う場合でも、当番でない週末に3連休をつくって旅行に出かけることも可能です。また、沖縄エリアでは「患者・家族→訪問看護師→HCA→医師」の順でオンコール連絡を受けるシステムとなっています。医療的相談や指示が求められるケースや出動が必要なケースのみ医師が対応すればよい体制を築くことで、大幅に負担が軽減できています。

一方、診療に集中しやすい環境も働きやすさにつながっています。悠翔会は、総務、人事、経理、レセプト処理などの業務を一括してメディカルインフォマティクス株式会社に外部委託するシステムを敷き、医経分離を図っています。オンラインでのオリエンテーションも充実していますし、診療に直接関係しない現場レベルの業務も、各拠点の事務長が巻き取っていきます。その結果、現場の医療スタッフがとことん診療に集中できるようになっています。各部署のスタッフともGoogle Chat、Google Meetなどで場所を選ばずにスムーズに連絡がとれるので、この点もまた、働きやすさの要因となっています。

ICTも着実に進歩しており、独自の電子カルテ「homis」も大変機能的です。例えば、処方箋や指示書などの文書類は電子カルテ上から直接FAX送信ができるようになっています(インターファックス)。また、介護主治医意見書などの下書き入力をAIが自動で行うシステムも、爽やかな若手エンジニアが開発中で、当院はそのモニタリングにも携わっています。 

悠翔会での勤務を検討している方へのメッセージをお願いします。

2020年代に入り、時代の潮流は「情報の時代」から「心の時代」に変化してきているといわれます。若手医師の間でも、「オフの時間やゆとりを大切にしながら、やりがいのある医師人生を歩みたい」と考える先生が増えてきているのではないでしょうか。
今後、在宅医療の分野に進みたいと考える若手の先生方が、ライフワークバランスを維持しながらも悠翔会の第一線で活躍し、さまざまな取り組みにチャレンジできるよう、私自身も支援していきたいと考えています。

恩納村にて妻と共にサンゴの保全活動に取り組む

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